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特別講演:見城慶和(元東京都夜間中学校教師・1999年度吉川英治文化賞受賞)

 

自分をとりもどす学校…夜間中学校の教育現場」

夜間中学校は、もともとは戦後の混乱期のなかで家計を助けるために働かざるを得なかった長欠生徒たちを救済する措置として設置されたのが始まりです。後には中国など外地からの引揚者、在日朝鮮・韓国人、また1970年代から80年代では昼間の中学校に通うことの出来ない不登校の生徒たちが多数学んできた歴史があります。夜間中学では、それぞれが自分の可能性を発見し、互いに助け合い学びあう教育が行われています。それぞれが自分の人生の主人公として生きる、そうした生きる力はどのような教育から身についていくかを、夜間中学の国語の授業の実践例で報告させていただこうと考えております。

教育講演:小泉晋弥(茨城大学教育学部教授・副学部長、附属幼稚園長、五浦美術文化研究所副所長)

「絵画からみえる社会と人間 ―子どもからおとなまで絵は人生を描き出す―」

私たちの前に提示されている作品は、事件現場であり事件の証拠である。作品観察、歴史的・文化的探求によって見えてくる絵画の様式とは、犯人の癖のようなものである。事件の概要、犯行の動機、使われた素材を確定して、犯人の癖を浮かび上がらせた探偵は、関係者を事件現場へ呼びだして、おもむろに事件を語り始める。⋯絵画が画家の人生とその生きた時代を写しだす鏡でありながら、単なる画家の自己表現や、画家からのメッセンジャーとしての役割を超えて、それを見る私たちの心をも反映して、人間社会の過去や未来を写しだすダイナミックなプロジェクターともなりえる。

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